セコムのひと

春の水なりまんまるく飲み下す
人形の靴はぺたんこ春一番
順番に化粧を落とし鳥雲に
施錠するセコムのひとや春時雨
くちづけて銅像の頬あたたかし
北窓開くおしゃれに禿げる
春眠し指をいっぽんずつかじる
肉球を押したら山が笑います
いそぎんちゃくちいさくひらくアプリかな
模範囚のごとく歩みて卒業す

(平成23年7月31日発行『逸』第29号掲載)

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