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河田英正web-log
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午後から県北の岡山地裁津山支部での事件のために11時頃に車で出発した。裁判所まで約60キロで1時間30分の所要時間である。少し時間の余裕を持ち、昼食の時間を確保した行程である。平成15年からの民事事件で本日が結審の予定されていたところ、相手方(原告)側から主張の追加がなされ、それに対する反論を準備しての出廷である。そして関連する新たな事件の初回期日でもあり、これについても主張が明確ではないと噛みついた状況となっていた。いささか戦いモードででかけたことになる。一応、当方の主張の通りに進行し、今日で結審することなくさらに先に延びた。

津山に行く途中に私の生まれ育った田舎、御津がある。今でも両親が住んでいる。昨年、岡山市と合併したため、私の本籍地、住所地ともに岡山市となった。うれしいようでもあり、住所地と異なる田舎があるとの意識がうすれ、さびしさもある。御津の北の建部町も岡山市との合併が協議されている。今日の道程のちょうど真ん中ぐらいのところにうどん店がある。このうどん店のうどんはつるつるとしたうまさがあり、ここの経営者を知っていることもあり、私はよく立ち寄る。ここを通るまでは旭川沿いの水と緑の町と言われた景色のいいところをドライブすることになる。ちょうどこのあたりまでが建部町になので岡山市もずいぶんと自然の景色も人の暮らし方も違うところと一緒になってしまうことになる。合併は行政の効率化をめざしているのだが、文化を均一化し、サービスは差別化され、行政との住民との意識の距離を大きくしてしまい、民主主義の基盤を危うくしていくのではないかと感じている。なにかと効率第一主義の「大きいことはいいことだ」式の最近の風潮はおかしいと思っている。

このうどん店で大盛りのザルうどんを食べ、おなか一杯となっての運転であった。道路の標示によれば気温が17度ぐらいにまであがっていて、暖かさと満腹感で眠気との戦いの津山までの運転であった。しだれ桜の花が咲いているのを何カ所かで見た。車の窓をあけ、春爛漫が近いことを肌で感じていた。裁判が終わって、帰路に就いたところ、急激に風が強くなり、雨が降りだし、気温が下がりだした。眠気との戦いはもうなかった。春うららは一転して花冷えの嵐と変わった。確かに天気予報も雨と、、、。事務所に帰ってからの怒りの交渉が待ち受けていたことは予想もしていなかった。
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(2006/03/29(Wed) 00:55:12)

連続コンビニ強盗3件の「なにげにすごい事件」を修習生用にと国選事件として受任し、1回で審理を終えてしまい検察官の求刑は懲役10年であったことを先に述べた。今日は3ヶ月の弁護修習を終える最後の日であった。実は、この「なにげにすごい事件」の判決があったのである。

審理終結から、ずいぶん時間が経過している。初回期日では情状証人は迷ったあげく当日に出廷せず、被害弁償もしないとのことで、2週間後には判決期日が指定されていた。求刑の懲役10年は弁護人の予想を上回り、被告人も希望を失ってしまうほどの衝撃を受けた。前刑を終えて1年ほどしての今回の事件であり、考えてみれば当然の求刑だったのかもしれない。

しかし、このことをニュースで知った母親は、いったんは被告人自ら責任の重さを感じてその責任を果たすことが最善であると意を決して法廷に出廷しなかったのであるが、なんとか被害弁償をし、法廷にでてもう一度被告人の刑を少しでも軽くしてやることはできないかと相談をもちかけてきた。内心は、面倒なことを頼まれたなと思ったのであるが、裁判所にはもう一度弁論を再開して、被害弁償や母親の今後の被告人に対する監督などの有利な情状を立証させて欲しいと申し立てた。そして、すぐに被害弁償の交渉にはいった。裁判所は、弁論再開に応じて改めて母親の証人尋問の機会を設けた。既に70歳近い母親が懸命に証言する姿を被告人は涙を浮かべながらみつめ、こんどこそ立ち直って親孝行をしてみたいと最後に述べていた。

示談交渉にもいろいろと問題があった。3軒のコンビニのうち2軒は既に廃業していた。聞くところによるとこの強盗事件がきっかけとなって店長が営業を継続していく自信がなくなったことが原因であったとか。とんだとばっちりがあったようで、損害はおもわぬ拡大をしていた。また、1軒については損害が保険会社から填補されていて、保険会社に支払うこととなった。こんな保険があるのだと初めて認識した。複雑な法律関係になっていたが、短い時間に交渉を完了し、審理を再び終結したその日に最後の支払いを終えることができた。検察官の再度の求刑は懲役9年であり、一定の効果はあった。そして、今日の判決は懲役6年であった。法廷で傍聴していた母親はハンカチで涙を拭いながら裁判長の方を見てなんども礼をしていた。被告人は裁判が終わると再び手錠をかけれたまま私のところに歩み寄り「ありがとうございました。」といい、まだ法廷に残っていた裁判官にも「ありがとうございました。もう再びここにくるようなことはしません」と涙をだしながら発言した。いままで被告人のしてきたことから、被告人が本当に立ち直るのかどうかはまだ疑問であるが、母親の決断がこのように劇的に状況をかえることができ、感動的な場面をみることができた。法廷の外では大勢のマスコミに囲まれて状況の説明を求められた。

修習生用にとったこの国選事件は、修習最後の日に判決となり、感動を与えて弁護修習を終えることとなった。
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(2006/03/28(Tue) 00:43:22)

昨日は、午前9時から正午過ぎまで大阪での2日目の弁護団会議であった。せっかく、大阪にきたのだから、大阪国際美術館で開催されているプーシキン美術館展に寄ってみた。生涯2度と出会うことのできない画家の感覚を、時代を超えて共感することのできる絵の鑑賞の機会は貴重である。今回は、ゴッホの「刑務所の庭」(たぶんこんな題であった)が印象に残った。高い壁で四方を囲まれた狭い刑務所の庭で囚人が輪になって歩いている絵である。上の方で小さい蝶が2匹舞っている。一人の囚人が青白い顔をこちらに向けて不安げに見ている。この絵を書いた6ヶ月後にゴッホは死んでいる。抜け出しがたい不安を抱えての生活だったに違いない。光や風を色彩のなかでとらえようとしたルノアールやモネの絵もあった。

新幹線で4時頃岡山駅に着いたところ、駅に爆弾がしかけられたとの電話があったとの構内アナウンスがあり、緊張感が漂っている地下を覗いて即座に現場を離れた。そのまま、4時30分からの社会福祉法人の理事会に出席して、今年度予算の審議に参加した。介護保健法の改悪で予算は超緊縮でなければ法人として成り立っていかない。結局入所者と働く人たちにしわ寄せがいく。介護保険といいうのはこんなことが予定されていたのだろうかと疑問に思う。保険料を取る以上、充実した介護が保障され無ければ、安心してこれ以上年をとれなくなる。

今日は日曜日だとか、今日は懸案の書類が完成したとか、出張から帰った日だからとか何かと自分で理由をつけて夜に家で飲酒をする。これを絶対に我慢できないわけではないので中毒ではないと思う。明日提出予定の書面を昼間完成させることができたこと、今日は日曜日であること、昨日出張から帰ったばかりであることなどの理由で、少し飲みたい。買い置きの「ボストンラガー・サミエルアダムス」を開けた。このビールはなかなか深みのあるおいしいビールである。ボストンでお勧めの地ビールをと言って出されたのがこれである。家族とおいしいといいながらゆっくりと食事をし、ニューヨークに行くために空港にでかけたが、ビールのおいしさにかまけて出発が遅れたり、いろいろな要因が重なって予定の飛行機に乗れず、家族がバラバラにニューヨークに行くことになった。着いたところが手荷物が着いていない、長男とホテルで待ち合わせをしていたが会えない、深夜になって全員がやっと揃うそんなばたばたがあった。思い出したくもない出来事である。しかし、イヤな思い出もこのおいしさとともであれば、懐かしくもある。近くの酒屋で見つけるとなぜか買ってしまう。うまい!
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(2006/03/20(Mon) 00:20:50)

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